北マトセ

2008年7月26日 (土)

院内 Love 感染

いやー、暑いですね。暑さに負けてだらだらしてた上、デジカメが没収されるという困難の解決策も思いつかず、さらに未だにコメントが 1 件しかないという悲しい事実に打ちのめされ(とかいってさらにだらだらしてたら誤字の指摘があり 2 件に増えました…)、Web で観たことも観る予定もない映画のレヴュー(「破壊屋」でぐぐってください)を読んでワハハと現実逃避してたら、いつの間にか土曜の夕方になっていました(ホントは金曜の夜から書き始めました)。あわわ、更新しないと…。
唯一のコメントをつけてくれたり、たまに感想を送ってきてくれたり、職場のパソコンからこんな恥ずかしいサイトを覗きに来てくれたりする女性読者たちが俺にはいるじゃないか! 男性読者は読むだけ読んでリアクションを全く寄越さないので無視しよう。

さて、今回は発売されたばかりの最新号からのご紹介(パステルは毎月 24 日発売です!)。前回に続いて病院ネタになるのは厭だったのですが、読んでいる最中から「これを紹介しないでどうする!」とわけのわからん使命感がめらめら燃え上がってきてしまったので我慢してください。

作者の北マトセ先生(愛称はマートンらしい)といえば、今年の 3 月号で「ロマンチック・エゴイスト」という傑作がまだ記憶に新しいですが、今回の「院内 Love 感染」もすばらしいです。

ところで、本題に入る前に一つだけ。
パステルには毎回、「パステル告白室」および「パステルノベル」というコーナーが設けられてまして、前者は読者からの投稿エピソードが、後者はオリジナルの話が、それぞれ挿絵つきの文章で語られるというものなんですが、挿絵を描く人の画力が高くないことが多いんですね。
でもまあ、そこはそれ、絵がメインじゃないですし、なんといっても私はこのコーナーに微塵も興味がなくて読み飛ばしてしまうのであまり目くじら立ててぎゃあぎゃあ騒ぎはしなかったのですが、今回ばかりは許せませんでした。

見よ、この扉絵を!!!
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この扉絵にオッケー出した編集者でてこい!!! なんだこの男のむかつく顔はああああああ。てめえ、55 ページ前にある神代先生の絵みたいに投げ飛ばすぞ!!

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「ざけたマネしてんじゃねえっっ!!」

……。

この 2 ページをどうしても紹介したかっただけなんです。すいません。
気を取り直して本題に戻りましょう。

今回のお話に、ストーリーというほどのストーリーはありません。いざ書き始めようとして、めちゃくちゃ短くなっちゃうんじゃないかと心配になったほどです。まあでも、見切り発車するのは私のいつもの癖なんで、気にせず進めてしまいましょう。
ヒロインは看護婦の中西さん。男のほうは皆川という名の医師。何科の医者なのかは最後まで明かされません。ま、別になんでもいいんでしょうね。恋愛には関係ないし(それどころかこのあと、本物の医者でなくても問題ないんじゃねえの?とすら思う羽目になります)。

ストーリーは寝ている皆川医師を中西さんが起こすところから始まります。

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「…先生、仕事の時間ですよ」

最初のコマがそこそこでかそうな病院の外観な上、このあと着替えた描写もない儘に Y シャツ、ネクタイ、白衣を着た皆川医師が描かれるので、どうやらこの先生、病院で服を着たまま寝ているようです。起こされるときに「いいかげん自分で起きられるようになってください」と云われてるんで、毎度のことなんでしょう。つまり、そんな存在は聞いたことありませんが、住み込みの医者なんですね。いやー、医者って大変だなあ。

さて、この住み込みの皆川先生を朝ご飯とか歯磨きとか何もなしで「わかったから仕事してください」と押す中西さん、いきなり山盛りのシーツを運ぶ看護婦さんの手押し車にはねられます。どうはねられたのかサッパリわからないのですが、皆川先生は中西さんがクッションになってダメージなし、中西さんはお尻を打った、ということになってます。ドアから出た瞬間にどうやったらそう転べるのか全く想像できませんが、とにかくそういうことになってます。

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「きゃーー 人はねちゃった」どう見ても棒読みです。本当にありがとうございました。

しかし、そこは皆川先生、なんせ医者ですんで、一日の仕事が終わったあとに中西さんのお尻を診てあげます。「今日一日ずっと痛そうにしてただろ?」と、なかなか優しいお言葉。

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「何をためらう? もしも括約筋を傷めていたら力仕事にも座り仕事にも差し支えるだろ?」って、え?

か、括約筋って、医学の知識とか全くない私でも知ってますが、尻の穴の筋肉のことですよね? 手押し車に撥ねられたんだから、どう考えたって打ち身ですよね? それで一体どうやれば括約筋が痛むんですか???
大体、括約筋が傷んだら、力仕事とか座り仕事以前に、毎日の排便がえらいことになります。そっちのほうがダントツで心配です。いくら女性に便秘が多いからって、下手したらおむつ着用とかですよ? こういうこと云うのはセクハラの可能性もなくはないですが、んなこと云ってられないぐらい重要な問題のはずです。
そのくせ、「安心しなさい、ひと通りの知識はあるから」とか云ってます。明らかに私より知識のない医者の科白なので説得力皆無ですが、「うーん、いまいち安心できない…」「とはさすがに言えない」という悲惨な理由で診察してもらうことを選択する中西さん。ちょちょちょっと! 危険すぎる! ほとんどパワハラだぞ!! なんで医者の話ってこうも職権濫用ばかりなんでしょうか。パステルの読者に医者はいないだろうとでも思ってんのか? そういう問題じゃねえぞ。

そもそも、ハッキリ云ってこの医者、最初からセクハラする気まんまんですよね? だからぽろっと「括約筋」とかいう言葉出しちゃうんでしょ? 普通ね、純粋に尻の打ち身を心配するなら、括約筋なんて言葉は出てこないんですよ。アヌスアヌスげへへのへ、とかスケベ心を抱いてるからボロが出るわけですよ。言い間違いは無意識の発露っつーフロイトの学説を引くまでもなく下心見え見え。
大体、もうちょっとうまいやりかたがあるでしょう? アヌス大好きな私でさえ、こんなこたぁ云いません。作戦失敗があらかじめ約束されてますもん、こんな科白じゃあ。
が、中西さんは超ド級のバカなので、こんな医者の云うことでもきいてしまいます。私、こんな医者や看護婦がいる病院には絶対に行きません。

という読者の憤りを完全に無視し、「…中西君、案外少女シュミだね」などといよいよ皆川医師は露骨なセクハラに入ります。ちょっと待て! 「い、いいから早くしてください」とかそういう言葉をだな、頬を赤らめて吐いてる場合じゃなくてだな、セクハラ対策委員会とかにだな、とかやきもきしてたら「先生の声、こんなに近くで聞いたの初めて」とかって中西さんはまんこを濡らし始める始末。もういいよ。

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「ウソ!? 私、今ヌレてる!?」。この状況で濡れる人はいません。

で、まんこ丸出しの中西さんに対して、「中西君、ちょっと肉を開くよ」だの「このままじゃスベるからね」だのとさらなるセクハラを続ける皆川(むかついたんで以降は呼び捨て)。「恥ずかしくて死にそう」じゃねえっつんだよ!!! なんだよ、「肉を開くよ」ってーのは!!! 打ち身の検査でまんこ開く必要がどこにあんだよ!!! くっそー、医者ってこんなことし放題だったのか…。俺も受験で失敗しなけりゃ今ごろは…。

で、「うん、裂傷はない。内出血もないみたいだ。かるい打ち身だね」と、診察する前から俺にでもわかっていた結果を告げる皆川による最後のとどめは、「とりあえず痛み止めは入れておくから」。
ん? い、入れる? 入れるってどゆこと??? と思う間もなく坐薬挿入!!! おいこら。
この期に及んでも「や、やだ中指が」「入っちゃ──」とか思ってる中西さんの頭の悪さには絶望を通り越して諦めすら漂ってきますが(なお、中指が入っちゃうのはまんこ)、どこの世界に打ち身で坐薬を入れる医者がいるんでしょうか。誰がどう考えたって湿布して終わりっつーレベルです。医者にかからなくても、自分で診断・処置できます。なのに坐薬。ひどすぎです。さっきも云いましたが、こんなバカな看護婦と常識知らずの医者がいる病院には死んだあとでも運び込まれたくありません。

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「はぁはぁはぁ」ピクピクン。感じすぎです。効果音がいいですね。ピクピクン。え、区切らないとだめ?

さて、この極悪な処置のあと、中西さんは一つの悩みに苦しみます。「どうしよ、私…どこかおかしいのかな…?」。ええ、おかしくもなるでしょう、打ち身だったのに坐薬なんか入れられてんですから。坐薬っつーと痔の薬か解熱剤って相場が決まってますからね。具合が悪くなったってことは、解熱剤でも入れられたんでしょう。体温さがりまくりですよ。
しかし、そんな中西さんの頬は赤い上、皆川に肩を叩かれただけで意識しまくり、「…何よアンタのせいじゃない。何もなかったような顔して! 医者なら今の私の状態、説明してよ!!」とか心の中で毒づきつつ、「皆川先生なら、まえの私に戻せるかも」とかむちゃくちゃな結論に飛びつきます。す、す、す、すごいバカっぷりだ。
この時点で読者全員が気づいている「あんたあいつに惚れてるね(理由は不明)」という結論は完全に眼中にない上、自分の具合を悪くした医者にさらにかかろうとするんだからすごい。
普通こういう場合は友人連中に「あいつマジ藪」と罵るだけ罵って別の医者にかかるもんですよ? ああ、中西さんにそういう常識を期待してもしょうがなかったか。白痴を遙かに超越したド低脳だもんな。
しかも、皆川に診てもらう際も「皆川先生」「…お話があります」とか、まるで放課後に愛の告白をする女子高生(しかも 20 年ぐらい前の)。おいおいおい、違うだろ! ここは「おい皆川、この前の処置、正しくなかったんじゃねえの。あれから具合わりーんだけど」って文句云って許される場面だろ!

で、診察開始。「まだ痛むのかい?」「違うんですけど、何か違和感が…」。
は?
翌日ってんならね、慣れない坐薬を挿入されて尻に違和感があるのはわかりますよ。でも、もう 2 ~ 3 日経ってるって設定なわけですよ(中西さんが自分の調子がおかしいと悩むシーンに、他の看護婦が「ここ 2 ~ 3 日、様子がおかしいよねー」と雑談してるコマあり)。おまえ、うんこのあと尻の穴ふいてないんとちゃうけ?
今回も違和感の正体、見切ったり!と思ってましたが、もちろん違います。ありゃ、私でも精確に診断できるってのがパステル、もといマートン・クオリティだと思っていましたが…。
「…そのアツイようなジンジンするような」「うむ、聞いたことのない症状だな」。何このお医者さんゴッコ。エロゲーじゃあるまいし、本職の医者がこんなことするでしょうか(反語)。パステルのマンガって確かに最後はセックスで解決だけど、一応「恋愛」を描いてるんじゃないのかよ! だから「恋愛白書パステル」っていう雑誌名なんじゃないのかよ!! 誰かマートンに雑誌の方針を教えてやれ!!!

診察はさらに続きます。

「もう一度診てあげるから、そのベッドに乗ってまえと同じカッコをしなさい」。
お、たまにはマトモなこと云うじゃん皆川。と思いましたが、超絶バカの中西さんの反応は、「!!」「先生、私、病気かそうじゃないかが知りたいんです。診察なんて望んでません」。アホかーーーーーーー。患部を診ないでどうやって判断しろってんだ! 大体、病気じゃないのモロバレだけど一応「聞いたことない症状だ」っつってんだろ!! なのに見もしないで判断できるかボケが!! 話きけや、このオカチメンコがあああああ。
で、例によってパンツ見られて、「今日の下着は大人だね」と云われつつパンツ下ろされただけでまんこぐしょ濡れ。糸まで引いてます。さすがの皆川も呆れて「これは…すごいな」と云うほど。なんていうか、生き恥ですね。ナボコフ先生が禁じる感情移入ですが、今回の話はぶっ飛びすぎてて感情移入する余地がありません。さすが!

と思いきや、ここでいきなり「どうして私、皆川先生になんか頼ったんだろ」という極めて常識的な思考が生まれます。ちょ。読者の上を行きすぎだろ、マートン先生…。

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「これは…すごいな」「どうして私、皆川先生になんか頼ったんだろ」。
さあ? バカだからじゃないスか? 全くロマンチックなシーンじゃないのに、背景はなぜか星なのもぶっ飛んでます。すごいぞマートン!

「…もぉやめてください」「なぜ? 診察はこれからだよ」「死んじゃうから」「え?」「恥ずかしくて死んじゃう」。そりゃ俺の科白だーーーーーー。もう、なんか、こんな、ヒドイ…
しかし、皆川のフォローはさらにこちらの羞恥心を加速します。「そうか… そうだね女のコひとりにこんなカッコじゃ恥ずかしいね」という、文法的にもなにやら意味が不明瞭な日本語を吐いた上、「いいよ、中西君は特別だ。ボクの恥ずかしいところを見せてあげるよ」とチャックを下ろしやがります。ゲー! しかも顔にやけてるし。キモい!!!
いや、キモいとかなんとか以前に、もう完全なセクハラです。「か、硬い」と云われたあとに(触んなよ)「かわいいことを言うね(クスッ)」とかって爽やかな笑みを見せたって誰も胡麻化されません。パーデンネンの中西(もういい加減に我慢できないので以降は呼び捨て)は別ですが。

で、皆川、中西に CHU。そのあと「いいことを教えてあげよう。きみの病の感染元(ママ)はボクだ」「きみがボクを想って胸を焦がすよう、きみの体に火種を残した」「君の病名は『恋わずらい』だ」と、読者の予想を全く裏切らない科白。どこの世界にただの打ち身で坐薬を入れられて恋煩いする女がいるのかはわかりませんが。
で、皆川の「せつないだろ? おいで助けてあげるから」という甘言(なのか、これ?)に騙され、「ウソ、だって先生が原因なんでしょ!? きっともっと苦しくなる」とか思いつつ、皆川に近寄っていく中西。
いやさ、「先生が原因なんでしょ!?」って何よ。病名は恋煩いだってわかったじゃん(書いてて死にたくなるな…)。なぁにが「きっともっと苦しくなる」だ。脳味噌ところてんの中西は、どうやら「恋煩い」っつー言葉の意味も知らんらしい。よく看護婦なれたな…。人類のためにもさっさと死んでください。他のみんなの危険が危ないです(© ドラえもん)。

このあとはいつもどおりセックスしておしまい。こんだけ煽っといてアナルセックスじゃないなんて、憤懣やるかたないです。特集「アブノーマルな H を体験してみない?」じゃねえのかよ! 最終的に全然どノーマルじゃん! なんでケツでやらねえんだよ!! 期待して損した(嘘、さすがに期待してません)。
この特集、3 つマンガがあるんですけどノーマルなセックスしてんのはこれだけ(残りは緊縛と野外)。ううう、頭痛が。とか云ってると皆川に坐薬を入れられかねんな。くわばらくわばら。

と、今回は「大丈夫か、パステル?」と心配になってしまうマンガのご紹介でした。ではまた次回、お会いいたしましょう。See You パステル!(友人 Q から送られてきた別れの言葉を採用)

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